展示会に関する情報を調べていると、「見本市」という言葉を目にしたことがある方もいるのではないでしょうか。そして、見本市とはどういうものなのか、展示会とどのような違いがあるか気になる方もいるでしょう。
そこで、今回は見本市の定義や展示会・商談会との違い、開催する際の成功のポイントなどを詳しく解説します。
見本市とは？定義や目的を解説
見本市とは、企業や業界団体が自社の製品やサービスを展示し、商談や取引を行うためのビジネスイベントのことです。見本市の目的は、出展者が商品やサービスを広く公開し、新しい取引先を見つけたり、顧客との関係を強化したりすることにあります。
基本的に企業間取引を主な対象としているため、商談や契約がその場で行われるケースも多いです。見本市は、企業が新しい市場やパートナーを見つけるための重要な場であり、商品の認知度向上や競合分析の機会も提供します。
見本市と展示会・商談会との違い
見本市は展示会や商談会と類似しているイベントのため、どのような違いがあるかわからないという方もいるでしょう。それぞれとの違いについて、詳しく解説します。
見本市と展示会の違い
見本市は、英訳するとトレードショー（Trade shwo）と表現され、主な目的は商談や取引を行うことです。見本市の主な対象は、業界関係者やバイヤーとなっており、出展者と来場者の間で商談を行い、取引契約が成立することが期待されています。
一方、展示会とは、英訳するとエキシビション（Exhibition）と表現され、主な目的は製品やサービスの宣伝をすることです。必ずしも商談を目的としておらず、企業が新商品や技術を広く公開し、知名度を上げることが目的です。そのため、企業だけでなく、一般消費者を対象とした展示会もあります。
つまり、簡潔に申し上げると、見本市は商談や取引に重点を置いている催しであるのに対し、展示会は宣伝・プロモーションに重点を置いた催しであるということです。
しかし、実際のところは展示即売会のように商品の売買を目的とした展示会も少なくないので、JETRO（日本貿易振興機構）などでは「見本市・展示会」と併記することも多いです。
見本市と商談会の違い
見本市と商談会は、どちらもビジネスにおける新しい出会いや取引の機会を提供するイベントですが、それぞれの性質や目的に違いがあります。
見本市は、企業が商品やサービスを広く展示し、複数の来場者（業界関係者やバイヤー）に対して一度にアピールします。ブースを設けて展示を行い、参加者が自由に製品を見たり、説明を受けたりする形式です。
一方、商談会は、あらかじめスケジュールが決められている場合が多く、出展者とバイヤーが1対1で面談を行い、具体的な取引内容について話し合う場となります。見本市のように不特定多数に向けた広報活動ではなく、具体的な商談に焦点を当てます。
さらに、イベントの規模にも違いがあります。
見本市は規模が大きく、参加する出展者や来場者も多くなることが一般的で、多くの企業がブースを出し、来場者は自由に各ブースを回って製品やサービスを比較検討できます。
しかし、商談会は規模が比較的小さく、限られたバイヤーや取引先に対して行われることが多いです。参加者は特定の目的を持って商談を行うため、1対1の対話や交渉が中心です。
見本市に出展するメリット
企業が見本市に出展することには、主に以下のようなメリットがあります。
- 新規取引先や顧客を獲得できる
- ブランド認知度を向上できる
- 業界のネットワークを拡大できる
- マーケットリサーチができる
- メディア露出の機会がある
新規取引先や顧客を獲得できる
見本市には業界関係者やバイヤーが集まるため、新しい取引先や顧客を獲得するチャンスがあります。特に、普段アプローチが難しいバイヤーや業界のキーパーソンと直接接触できる場となり、商談が始まることも多いです。
また、製品をその場でデモンストレーションできるため、製品の魅力を実際に伝える効果が高まります。
ブランド認知度を向上できる
見本市に出展することで、業界内外での自社ブランドや製品の認知度を高めることができます。
多くの企業や来場者に直接製品を見てもらい、ブースの設計やデモを通じてブランドの特徴やメッセージを効果的に伝えることができます。特に、新商品やサービスを発表する場として効果的です。
さらに、見本市に出展することは、業界内での信頼性や専門性を示す機会にもなります。特に、規模の大きな見本市に出展することで、自社の実力や製品の優位性を示し、顧客やパートナーからの信頼を獲得しやすくなります。
業界のネットワークを拡大できる
見本市では、業界のバイヤーやサプライヤー、パートナー企業など、重要な業界関係者と直接交流する機会が豊富にあります。普段、直接交流できない業界関係者が一堂に会することで、直接接触する機会が生まれ、コミュニケーションを取ることができるでしょう。
これにより、新しいビジネスパートナーの発掘や、業界内でのネットワークを広げることができます。
マーケットリサーチができる
見本市は、顧客や業界関係者から直接フィードバックを得られる場でもあります。顧客がどのような製品に興味を持っているのか、どのようなニーズや課題があるのかを把握することで、市場動向を理解し、今後の製品開発やマーケティングに役立てることができます。
また、見本市には競合企業も出展しているため、自社と競合の製品やサービスを比較する絶好の機会です。競合がどのような製品を展示しているのか、どのようなプロモーション活動を行っているのかを把握することで、自社の戦略や商品開発に活かすことができます。
メディア露出の機会がある
見本市は、メディアや業界誌が注目するイベントでもあるため、メディア露出の機会があります。自社製品やサービスがメディアで取り上げられることで、さらに広範囲の人々に認知される可能性が高まります。
また、見本市に合わせたプレスリリースやプロモーションも効果的です。
見本市に出展して商談を成功させるポイント
見本市に出展したとしても、その後の商談や取引に繋げられなければ、費やしたリソースに見合った成果を挙げることはできません。商談を成功させるためには、以下のポイントを押さえておきましょう。
- 具体的な目標を設定する
- 関係者や見込み顧客に告知する
- ブースにこだわる
- 効果的なノベルティを用意する
- フォローアップを迅速にする
具体的な目標を設定する
見本市に出展することが決まったら、まずは具体的な目標を定めましょう。
具体的な目標とは、最終的に達成したい最重要目標（KGI）と、それを達成するまでの過程で達成したい中間目標（KPI）です。例えば、最終的に2件の取引を決定させたい（KGI）とすれば、それを達成するためには100件の顧客リストを獲得する（KPI）、20件の商談を獲得する（KPI）などです。
これらの目標を具体的に定めることで、目指す成果に対して効果的な戦略を立てることができるようになります。また、見本市への出展が成功したのか否かを、データを用いて判断することができるでしょう。
関係者や見込み顧客に告知する
見本市へ出展することを、見込み顧客や取引先などの関係者に、ダイレクトメールやホームページ、SNSなどを通じて事前に告知しておきましょう。告知する際は、見本市で展示する製品の情報や来場することのメリットを伝えることで、興味関心が高まりやすくなります。
告知は1度だけでなく、数回しておくと効果的です。告知のタイミングが、見本市当日までの期間が空きすぎていれば反応が薄くなる可能性があり、直前過ぎれば予定が空いてなくて来場できない可能性があります。
ブースにこだわる
ブースは、当日の会場で多くの来場者を惹きつけるために重要な要素です。そのため、ブースのレイアウトやデザイン、装飾などにはこだわりましょう。
ブースは来場者の興味を引くだけでなく、ブースに訪問した人の満足度を高めるためにも重要な役割を果たします。ブースへ誘導できたとしても、訪問者の満足度が低ければ商談に繋げることは難しいため、製品の魅力が十分に伝わるようにレイアウトや展示方法を工夫しましょう。
効果的なノベルティを用意する
見本市では、名刺交換と共に、企業のロゴ入りノベルティや資料を配布することが一般的です。来場者に持ち帰ってもらえるような実用的で印象に残るノベルティを用意し、自社を長く記憶してもらう手段として活用しましょう。
また、パンフレットや資料など、視覚的にわかりやすく会社や製品の魅力を伝えるツールも事前に準備しておきましょう。簡潔でインパクトのあるツールは、商談をスムーズに進める助けになります。
フォローアップを迅速にする
見本市終了後、商談相手に迅速に連絡を取ることが重要です。興味を示した顧客には、具体的な提案書や追加情報をすぐに送付し、関心が冷めないうちに次のステップを進めましょう。
丁寧なフォローアップが信頼を築き、成約に繋がりやすくなります。
見本市への出展はプロに相談しよう
見本市への出展は、ブランド認知度を高め、商談を成功させる大きなチャンスです。そのため、専門のサポート会社に依頼することで、プロフェッショナルなブースデザインや効率的な運営、効果的なマーケティングが実現し、出展の成果を最大化できる可能性が高まります。
エヌショーケース株式会社は、これまで多くの見本市出展をサポートしてきた豊富な実績があります。ブースの企画からデザイン、施工など、見本市出展に関する業務をトータルサポートできるため、少ないリソースで見本市への出展を実現します。
実績・事例一覧はこちら
見本市に出展して商談を成功させよう
見本市は、自社の商品やサービスをPRするだけでなく、その場で直接商談できる可能性がある貴重なビジネスイベントです。通常のプロモーションではアプローチできないような新規顧客を獲得できる可能性があり、取引が成立すれば自社の売上を向上させることに貢献できます。
しかし、見本市に出展したとしても効果的に集客できなければ、費やしたリソースに見合った成果を得ることはできません。今回紹介した成功のポイントを実践したり、プロのサポートを受けたりすることで、成果を最大化できる可能性があります。
エヌショーケース株式会社では、見本市の出展や開催をサポートしています。創業55年を超える豊富な実績と知見で、貴社の目的を達成するための最適なプランをご提案します。
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