展示会のブースの種類には、主に「木工ブース」と「システムブース」の2種類があります。木工ブースは木材を加工して製作されたブースだということがすぐにイメージできるかと思いますが、システムブースと聞いてもどういうものかイメージが湧かないという方もいるでしょう。
そこで今回は、展示会のシステムブースについて詳しく解説します。木工ブースとの違いや、システムブースのメリット・デメリットなどを紹介するので、ブースを検討する際に参考にしてください。
展示会のブースの種類には、主に「木工ブース」と「システムブース」の2種類があります。木工ブースは木材を加工して製作されたブースだということがすぐにイメージできるかと思いますが、システムブースと聞いてもどういうものかイメージが湧かないという方もいるでしょう。
そこで今回は、展示会のシステムブースについて詳しく解説します。木工ブースとの違いや、システムブースのメリット・デメリットなどを紹介するので、ブースを検討する際に参考にしてください。
目次
展示会のシステムブースとは、あらかじめ設計されたシステム部材(フレームやパネルなど)を組み合わせて構築される展示ブースのことです。主にアルミフレームやトラス構造を基盤にし、パネルや照明、什器を追加して完成させます。
システムブースは、軽量で持ち運びが容易、かつ組み立てが簡単なため、短時間で設置できるのが特徴です。また、部材は再利用可能で、必要に応じてサイズや形状を柔軟に変更できるため、コストパフォーマンスが高いのも魅力です。
標準化された構造ですが、パネルにロゴや装飾を施したり、什器を工夫することで、企業やブランドに合った独自のデザインを演出することができます。システムブースは、展示会の小規模なスペースから大規模イベントまで、幅広い場面で活用されています。
冒頭でも述べた通り、展示会のブースにはシステムブースの他に木工ブースもあります。どちらの種類にするか判断するためには、両者の特徴や違いを理解しておくことが重要です。
システムブースと木工ブースの主な違いを、以下の表にまとめます。
比較項目 | システムブース | 木工ブース |
---|---|---|
特徴 | 構造が簡易で効率的に設置できる | 自由なデザインで独自性を表現できる |
カスタマイズ性 | 低い | 高い |
施工期間 | 短い | 長い |
コスト | 比較的安価 | 高い |
再利用性 | 高い | 低い |
デザイン自由度 | 規格内で調整 | 自由で複雑なデザインが可能 |
設営難易度 | 比較的容易 | 高い |
メンテナンス性 | 高い | 低い |
環境負荷 | 低い | 高い |
適した目的 | コスト・効率を重視 | ブランドイメージを重視 |
システムブースは、あらかじめサイズや用途が決められたシステム部材を使用してブースを製作するため、比較的安価で効率良く製作・設営でき、コストや効率を重視する場合に適しています。しかし、デザイン性やカスタマイズ性は木工ブースと比較すると見劣りする部分があり、個性的なブースで他社と差別化を図りたいという場合には、あまり適していないといえます。
木工ブースは、一から自由にデザイン・設計して製作するため、表現の幅が広くブランドイメージを強調したい場合や、他社との差別化を図りたい場合に適したブースです。自由で複雑な設計のブースを製作できる一方で、施工期間が長かったり、製作コストが高額になったりする場合が多く、コストや効率を重視したいという場合には適していないでしょう。
システムブースには、主に以下のメリットがあります。
システムブースは規格化された部材を使用するため、一から設計・製作する木工ブースに比べて初期費用が抑えられます。また、部材が再利用可能なため、複数の展示会にわたって使用することができ、コストを削減できます。
予算に限りのある小規模・中規模の展示会や、複数の展示会に出展する予定がある場合に重宝するでしょう。
標準化された部材を組み立てる方式のため、専門的な技術がなくても短時間で設営が可能です。設営・撤去が容易なので、人件費や施工時間が削減され、急なスケジュール変更にも対応しやすい点も大きな魅力といえます。
システムブースの部材は軽量で耐久性があり、何度でも繰り返し使用できます。そのため、廃材が出にくく、環境への負荷が少ないことが大きな特徴です。
また、システムブースを使わなくなったとしても、リサイクル可能な素材で作られている部材が多いため、廃棄物の発生を抑制することが可能です。環境への配慮が求められる現代の展示会運営において、エコフレンドリーな選択肢として評価されています。
システムブースは、メンテナンス性が非常に高いことも大きなメリットです。規格化されたアルミフレームやパネルなどの部材で構成されており、破損や劣化があった場合でも、個別の部材を簡単に交換・修理することができます。
また、軽量で分解・再組立が容易なため、設営や解体時の負担が少なく、保管や運搬中のダメージを最小限に抑えられるでしょう。さらに、汚れや傷もシンプルな構造のため清掃がしやすく、繰り返し使用する際に状態を維持しやすいです。
多くのメリットがあるシステムブースですが、以下のデメリットについても十分留意しておく必要があります。
システムブースは規格化された部材を使用するため、デザインに一定の制約があります。他の企業と同じような見た目になりがちで、特に差別化が求められる場面では不向きです。
ブランド独自のイメージを強調したい場合や、斬新なデザインが必要な展示会では、カスタマイズ性が高い木工ブースに劣ることがあるでしょう。企業や製品の魅力を最大限に伝えるには、システムブースの制約内での工夫が求められます。
規格化された部材は効率的で実用的ですが、どうしても「既製品」感が出やすく、展示ブース全体に高級感や特別感を与えにくいです。特に高額商品や高級ブランドを展示する場合には、木工ブースのような一から設計されたデザイン性の高い装飾が求められることがあります。
システムブースはシンプルで便利な反面、視覚的なインパクトが弱い点がデメリットです。
システムブースは主に小規模から中規模の展示会に適しており、大規模なブースや特殊な形状が求められる場合には対応しきれないことがあります。複雑な構造やユニークな空間演出が必要な場合、規格部材だけでは対応できず、追加の木工や特注部材を組み合わせる必要があるでしょう。
その結果、設営コストや手間が増加し、システムブースのメリットが薄れることがあります。
システムブースの制作費は、規模や使用する部材によって異なりますが、1小間(3m×3m)のおおよその制作費は、30~80万円が目安となります。木工ブースは1小間50万円以上が目安となってくるので、木工ブースと比較するとやはり費用を抑えられることがわかります。
ブース制作費の他にも、展示会出展料やブースデザイン・装飾費用など、様々な費用が必要です。それらを考慮したうえで、ブース製作にどれだけ費用をかけるかを検討しましょう。
システムブースと木工ブースを組み合わせることは、効率性とデザイン性の両方を兼ね備えた有効な選択肢です。
システムブースの規格化された部材を基礎に使用することで、設営やコストを抑えつつ、再利用可能な環境配慮型の設計が可能です。一方、木工ブースの装飾性やカスタマイズ性を部分的に取り入れることで、ブランドの独自性や高級感を強調できます。
例えば、システムフレームで骨組みを作りつつ、木工でカウンターや特注ディスプレイを追加することで、目立つブースを構築できます。この組み合わせにより、予算を抑えながらも来場者の注目を集める独自性のあるブースを実現できるでしょう。
システムブースは、コストパフォーマンスが高く、設営・撤去も比較的容易にできるので、展示会が初めての企業や、少しでも費用を抑えて展示会に出展したい企業に適しているといえます。しかし、効率的で利便性が高い反面、デザインの自由度が制限され、高級感やインパクトに欠けることから、他社と差別化して高い集客効果を見込みたいという場合にはあまり向かないというデメリットも存在します。
上記のようなメリットやデメリット、展示会出展にかけられる費用などを考慮して、どのようなブースにするかを検討しましょう。知見がなく、判断が難しいという場合は、展示会のプロであるブース装飾・施行業者に相談することをおすすめします。
エヌショーケース株式会社は、これまで多くの企業様の展示会出展をサポートしてきた豊富な実績があり、その知見を活かして貴社のご要望に合わせた最適なプランをご提案します。費用や納期に合わせて柔軟に対応させていただきますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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